運がいい子どもに育ってほしいと思ったら
2026/07/23
「この子には、運のいい人生を歩んでほしい」
親なら、そんなふうに願うことがあるのではないでしょうか。
よい先生や友だちに出会ってほしい。
困ったときには助けてくれる人がいてほしい。
やりたいことに挑戦できる機会に恵まれてほしい。
できることなら、苦労ばかりではなく、人や機会に恵まれる人生を歩んでほしいと思います。
けれど、運のよさは、生まれつき決まっているものなのでしょうか。
「運がいい子」にすることはできない
どれだけ親が願っても、子どもの人生に起きることを、すべて選ぶことはできません。
よいことばかりが起きるようにすることも、失敗やつらい経験をすべて避けることもできません。
だから、親が子どもを「運がいい子」にしてあげることはできないのかもしれません。
けれど、運やチャンスに出会ったときに、それに気づき、自分から手を伸ばせる力は、日々の中で育てていくことができます。
運のいい人は、偶然を待っているだけではない
運がいいと言われる人を見ると、何もしないで幸運を待っているわけではありません。
面白そうだと思ったら、まずやってみる。
分からないことがあれば、人に聞いてみる。
失敗しても、「もう無理」と終わらせず、次にできることを考える。
また、人との約束を守ったり、助けてもらったときに感謝を伝えたりすることで、周りとの信頼も少しずつ育てています。
そうした日々の積み重ねが、新しい出会いや、「この子なら声をかけてみよう」という機会につながることがあります。
運は、ただ空から降ってくるものではなく、行動や人との関係の中から生まれることもあるのです。
子どもが動く前に、答えを渡していないでしょうか
子どもが困っていると、親はつい先回りしたくなります。
「こうしたほうがいいよ」
「それはやめておいたほうがいい」
「失敗するから、こっちにしなさい」
もちろん、子どもを守りたいからこその言葉です。
けれど、大人が先に答えを渡し続けると、子どもは自分で動く前に、親の顔を見るようになることがあります。
「これをやってもいいのかな」
「失敗したら怒られるかな」
「正しい答えはどれだろう」
そうして、せっかく目の前に来た機会があっても、自分から手を伸ばすことが難しくなることがあります。
運に出会うために必要なのは、いつも正しい選択をする力ではありません。
「やってみたい」と思ったときに、小さく動けることです。
「失敗しない子」より、「失敗しても戻ってこられる子」
親は、できれば子どもに失敗してほしくないと思います。
けれど、行動すれば、うまくいかないこともあります。
友だちに声をかけたけれど、断られた。
挑戦したけれど、できなかった。
楽しみにしていたのに、思った結果にならなかった。
そんなときに、
「だから言ったでしょう」
「ちゃんと考えないからよ」
と言われると、子どもの中には、失敗したつらさだけでなく、「やってみた自分が間違っていた」という気持ちまで残ることがあります。
反対に、
「やってみたんだね」
「思っていた結果と違ったんだね」
「次はどうしたい?」
と受け止めてもらえると、失敗は終わりではなく、次を考える経験になります。
運のいい子とは、失敗しない子ではありません。
うまくいかないことがあっても、そこからもう一度動き出せる子なのだと思います。
感謝は、言わせるものではなく、感じるもの
運のいい人は、感謝を大切にしていると言われます。
だからといって、子どもに、
「ありがとうは?」
「ちゃんとお礼を言いなさい」
と毎回言わせれば、感謝できる子になるとは限りません。
子どもは、大人の言葉だけでなく、普段の態度や接し方をよく見ています。
親が誰かに助けてもらったとき、
「助かったなあ」
「ありがたいね」
と自然に言葉にする。
子どもが手伝ってくれたときにも、
「してくれて、うれしかったよ」
と伝える。
そんな親の姿に触れることで、子どもは、人にしてもらうことは当たり前ではないと少しずつ知っていきます。
感謝は、正しく言わせるものではなく、誰かとの関わりの中で感じていくものです。
小さな幸運に気づく力
運がいい人は、大きな成功ばかりを見つけているのではありません。
困っていたら誰かが声をかけてくれた。雨が降る前に家に着けた。友だちが一緒に遊ぼうと言ってくれた。
そんな小さな出来事を、「よかったな」と受け取ることが上手なのだと思います。
親が、
「今日は何が楽しかった?」
「誰かに助けてもらったことはあった?」
と聞くことも、小さな幸運に気づくきっかけになります。
ただし、よかったことを無理に探させる必要はありません。
嫌なことがあった日には、
「今日は嫌なことがあったんだね」
と、その気持ちをそのまま受け止めることも大切です。
つらい気持ちを否定されずに受け止めてもらえるからこそ、子どもは落ち着いたあとで、別の出来事にも目を向けられるようになります。
運は、人との間で育っていく
子どものもとにやってくる機会の多くは、人を通して届きます。
「あの子も誘ってみよう」
「あの子なら任せられそう」
「困っているなら助けてあげたい」
そう思ってもらえる背景には、普段の関わりがあります。
けれど、ここで大切なのは、誰にでも好かれる子に育てることではありません。
人に合わせることや、嫌なことを我慢することでもありません。
自分も相手も大切にしながら関わることです。
約束を守る。
できないときには伝える。
助けてもらったら感謝する。
困っている人がいたら、できる範囲で手を貸す。
そうした経験の積み重ねが、人との信頼を育てていきます。
親ができるのは、運のよい道を選ぶことではない
親が子どもの前に、運のよい道を用意し続けることはできません。
けれど、子どもが自分で道を選ぶときに、
「やってみたいなら、やってみよう」
「うまくいかなかったら、また考えよう」
と思える空気をつくることはできます。
すぐに答えを渡さず、子どもが考える時間を待つこと。
失敗したときに、責めるより先に、何があったのかを聞くこと。
助けてもらうことや、人に頼ることも大切だと伝えること。
そうした日々の関わりが、子どもの中に、
「自分は動いても大丈夫」
「困ったときには、誰かに頼ってもいい」
「失敗しても、またやり直せる」
という感覚を育てていきます。
その感覚こそが、目の前に来たチャンスに気づき、自分から一歩を踏み出す力になるのではないでしょうか。
運がいい子とは、幸運ばかりが起きる子ではない
運がいい子とは、よいことばかりが起きる子ではありません。
うまくいかないことがあっても、そこから次を考えられる子。
人からの助けを受け取り、感謝できる子。
小さな出会いや機会に気づき、「やってみたい」と手を伸ばせる子。
そして、自分もまた、誰かに幸運を運べる子です。
今日、子どもが何かを始めようとしたとき、私たちはどんな言葉をかけるでしょうか。
失敗しない方法を先に教えるのか。
それとも、
「どうしてみたい?」
と、子どもの考えを少し待ってみるのか。
運を育てる最初の一歩は、子どもに何かを教えることよりも、子どもが自分で動き出す力を信じることなのかもしれません。
• 保育士歴25年以上/幼稚園教諭5年(現役)
• 2,000人以上の親子と伴走/才能クリエイト協会認定 上級コーチ
• メディア: サンテレビ「ネクストニッポン」出演(2025年11月放映)
• 著書: 『愛情に秘められた親のホンネ』
• 拠点: 大阪府岸和田市(オンラインで全国対応)
• 独自技術: まなざし診断「マナシン」(商標登録出願中)× AIプロンプトエンジニア資格
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