子どもが「ピンクは女の子の色だよ」と言ったとき、そっと伝えたいこと。|大阪 岸和田市 育児相談
2026/06/23
子どもが、ピンク色を選んだ男の子に向かって、
「それ、女の子の色だよ」と言いました。
そんな場面に出会ったとき、
大人は少しドキッとするかもしれません。
「そんなこと言わないの」と止めたくなることもあるでしょう。
あるいは、男の子を守ろうとして、「いいんだよ。
男の子でもピンクを選んで」と言いたくなるかもしれません。
でも、少し立ち止まって見てみると、
その女の子は、意地悪をしたかったわけではなく、
きっと、その子の中では、『ピンクは女の子の色』という見方が、
正しいこととして育っていたんだと思います。
だから、男の子に向かって「それ、女の子の色だよ」と教えてあげた。
そんな感覚だったのかもしれません。
子どもは、まわりの言葉や空気をよく見ています。
おもちゃ売り場で見かける色。
服売り場の並び方。
絵本やテレビの中の表現。
大人の何気ないひと言。
「女の子だからピンクが似合うね」
「男の子だから青がいいね」
そんな小さな言葉が、子どもの中で少しずつ重なっていきます。
そして、いつの間にか「これは女の子のもの」
「これは男の子のもの」という小さな枠になっていくことがあります。
でも実は、「ピンクは女の子、青は男の子」という考え方は、
昔からずっと決まっていた自然なルールではありません。
歴史を見てみると、赤ちゃんの服はもともと白が多く、
ピンクやブルーのような淡い色が広がったあとも、
最初から今のように性別で分けられていたわけではなかったそうです。
さらに驚くことに、時代や場所によっては、
「ピンクは強い色だから男の子に」
「ブルーはやわらかい色だから女の子に」とすすめられていたこともありました。
つまり、色そのものに「男の子の色」「女の子の色」という決まりがあったのではなく、
社会の中で少しずつ意味づけされていったものなのです。
そして、その背景には、、「商業の流れ」や「売り場や商品づくりの流れもありました。
「女の子用」「男の子用」と分けることで、商品は選びやすくなります。
かわいらしい女の子用、
かっこいい男の子用。
そうやって分けられた世界を、大人も子どもも何度も見ているうちに、
まるで最初から決まっていたことのように感じるようになっていったのかもしれません。
これは、色だけの話ではありません。
「男の子なのに泣いている」
「女の子なのに虫を触る」
「男の子なのにおままごとをする」
「女の子なのに戦いごっこが好き」
そんな言葉の奥にも、同じような枠が隠れていることがあります。
子どもがそう言ったとき、その子を責める前に、
「この子はどこかで、そういう世界の分け方を受け取ってきたのかもしれない」と見てみる。
その見方があるだけで、大人の声かけは変わっていきます。
脳は、世界を理解するために分類しようとします。
小さな子どもほど、「これはこっち」「これはあっち」と分けることで安心することがあります。
だから、子どもが「ピンクは女の子の色」と言ったとき、それはその子の心が狭いからではなく、見えている世界を自分なりに整理している途中なのかもしれません。
だからこそ、大人ができるのは、
その子を否定することではなく、少しだけ別の見方を手渡すことなのだと思います。
たとえば、こんなふうに言えるかもしれません。
「そう思ったんだね。でもね、色は男の子だけ、女の子だけって決まっていないんだよ。
みんな、自分の好きな色を選んでいいんだよ。」
この言葉は、女の子を責めていません。
そして、ピンクを選んだ男の子を“特別に許している”わけでもありません。
ただ、「色は誰かだけのものではない」という新しい見方を、そっと置いています。
「男の子でもピンクを選んでいいよ」という言葉も、きっと優しさから出た言葉です。
男の子を守りたい、傷つけたくない、そんな気持ちがあったのだと思います。
ただ、「男の子でも」という言葉の中には、もしかすると「本当はピンクは女の子の色だけど」という前提が、少しだけ残ってしまうことがあります。
子どもに届けたいのは、「例外として許された」という感覚ではなく、「自分の好きは、そのままでいい」という安心です。
だから、色を選ぶ場面で大切にしたいのは、「男の子でもいい」「女の子でもいい」と許可することより、「みんな、自分の好きな色を選んでいい」と伝えることなのかもしれません。
子どもの中に入った小さな思い込みは、叱って外れるものではありません。
責められると、子どもは「自分は悪いことを言った」と感じてしまうことがあります。でも、やさしく見方を広げてもらうと、「あ、そういう考え方もあるんだ」と、世界の見え方が少し変わっていきます。
育児や保育の中で、私たちは毎日、子どもにたくさんの言葉を渡しています。
その言葉は、正解を教えるためだけのものではなく、子どもの世界を広げるためのものでもあります。
「色は、誰かだけのものじゃないよ。」
そんな一言が、子どもの中にある小さな枠を、そっとほどいてくれることがあります。
そして、その経験は、色だけでなく、「自分は何を好きでいていいのか」「どんな自分でいていいのか」という安心にもつながっていくのかもしれません。
子どもが「男の子なのに」「女の子なのに」と言ったとき、私たちはその言葉だけを見るのではなく、その子がどんな世界を見ているのかを想像してみたいですね。そして、責めるのではなく、少しだけ視野が広がる言葉を手渡していく。
その積み重ねが、子どもたちの中に、「好きなものを好きと言っていい」「自分で選んでいい」という感覚を育てていくのだと思います。
※色と性別の歴史については、海外の子ども服の歴史に関する資料を参考に、日本語で要約しています。
参考文献:Britannica “Has Pink Always Been a ‘Girly’ Color?”、Smithsonian Magazine “Unraveling the Colorful History of Why Girls Wear Pink and Boys Wear Blue”
• 保育士歴25年以上/幼稚園教諭5年(現役)
• 2,000人以上の親子と伴走/才能クリエイト協会認定 上級コーチ
• メディア: サンテレビ「ネクストニッポン」出演(2025年11月放映)
• 著書: 『愛情に秘められた親のホンネ』
• 拠点: 大阪府岸和田市(オンラインで全国対応)
• 独自技術: まなざし診断「マナシン」(商標登録出願中)× AIプロンプトエンジニア資格
教育方針のお悩みはオンラインで







