「子どものことばの間違い」 つい、訂正していませんか?
2025/05/10
保育現場のリアル
「うんち出た〜!」
ニコニコと笑顔でそう伝えてくれたのは、2歳のかずき君。
トイレに行ってみると…出たのは“おしっこ”。
「おしっこだったね」と伝えると、「うん」とうなずく彼。
だけど――
次の日もまた、「うんち出た〜!」と教えてくれました。
担任の先生は「うんちじゃないよ〜、おしっこだよ」と声をかけていました。
そのやりとりを見ながら、私はふと、こう思ったのです。
これは、ただの“まちがい”じゃない。
子どもの中にある、“ことばの地図”の一部なんじゃないか――と。
子どもは「経験」と「注目」で言葉を学ぶ
実は、紙パンツ育児と布おむつ育児では、「ことばの習得の仕方」に差が出やすいと感じています。
布おむつだと、おしっこをするたびにおむつを替える必要がありますよね。
だから、大人が「おしっこ出たね」「替えようね」と声をかける機会が自然と増える。
ところが、紙パンツは吸収力が高く、よほど気づかないと大人も反応しません。
でも、“うんち”が出たときだけは――
「うんち出たの?」「出たね〜!」「えらいね!」と注目されることが多いんです。
つまり、子どもにとって「うんち」は“伝えていいもの”“注目されるもの”として、
“ことばの意味”とともに記憶に残る。
それに対して「おしっこ」は、意味づけされにくい。
このちがいが、「出た=うんち」という“ことばの地図”をつくっていたのかもしれません。
ことばの地図ってなに?
「ことばの地図」とは、
子どもが頭の中に描いている、“ことばと意味のつながり”のこと。
大人のように辞書的に「うんち=排泄物」と覚えているのではなく、
“経験”と“感情”の記憶とセットで、言葉を理解していきます。
「出たとき=大人に褒められる=うんち」
「出たけどスルーされた=意味がない=おしっこ?」
そんなふうに、子どもの中では、感覚と注目とラベルが混ざり合いながら、
“言葉の世界”が広がっていくのです。
【ことばの世界は、こうして広がっていく】
だから私は、こう伝えるようにしています。
「うんち出たんだね〜、教えてくれてありがとう。
あ、今日は“おしっこ”だったみたい。おしっこも気づけて、すごいね!」
このように、「うんちじゃないよ」とただ訂正するのではなく、
“気づきを広げる”ように伝えると、子どものことばの地図に新しい道が描かれていくのです。
次第に、子ども自身が
「今日はうんち」「今日はおしっこ」と“ちがい”にも気づけるようになっていきます。
【3歳ごろ、“うんち・おしっこ”を繰り返し言うのはなぜ?】
実はこの「ことばの地図」は、
2〜3歳ごろになると、さらに色濃く広がっていきます。
たとえば、3歳くらいの子が
「うんちー!」「おしっこー!」と、
何度も大きな声で言ったり、笑いながら繰り返すことってありますよね。
これ、ただの“ふざけ”ではなく――
言葉と身体の感覚がつながり始めてきた証拠なんです。
【ことばが“感覚”と“注目”で育つ時期】
この時期、子どもたちは
「身体で感じたこと」と「ことば」をつなげようとしています。
そこに、大人やまわりの子どもたちが笑ったり、反応してくれると…
「この言葉って、なんかすごい!」
と感じて、ことばの地図の中に、強くその言葉を刻んでいくのです。
“おしっこ”“うんち”という言葉は、
ただの排泄物の名前ではなく、
感覚・感情・周囲の注目がぎゅっと詰まった“意味のある言葉”として、
子どもの中に深く根づいていきます。
【ことばのブームは、“成長”のサイン】
こうして、「おしっこ」「うんち」がブームのようになるのは、
子どもの“ことばの地図”が、感覚と社会の間に橋をかけているタイミング。
大人からすれば「ちょっとやめて〜」と感じることもありますが、
それは、自分の身体をことばに変えられるようになった成長のしるしです。
【おわりに】
「まちがっている言葉」は、
その子がこれまでどんな経験をしてきたかを映し出す鏡でもあります。
それをただ訂正してしまうのではなく、
“今どんな地図を持っているのか?”
“そこに、どんな道を足してあげられるか?”
そんなまなざしで向き合うことで、
子どものことばの世界は、ぐんと広がっていくのです。
今日もまた、「うんち出た〜!」と元気に伝えてくれたかずき君に、
私はほほえみながら、こう返しました。
「おしっこだったけど、ちゃんと気づいて教えてくれたね。ありがとう。」
子どもは、こうして“言葉の旅”をしている。
そして、その旅の地図を描く手助けを、大人はできるのだと思うのです。
そして、
かずき君が、うんちとおしっこの区別がつき、
「おしっこが出た〜」と教えてくれるようになるときが、楽しみです。
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何度言っても伝わらないのは「脳のクセ」のせい。
子どもの困りごとを可能性に変える「まなざし育児」
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「伝え方」を頑張るよりも、大切なことがあります。
子育ての8割は、無意識に反応してしまう「0.3秒の脳のクセ」で決まっているからです。
私は、保育教諭として30年、2,000組以上の親子と向き合う中で、
その「関わり方のパターン」を解明してきました。
現在は、AI解析によるタイプ診断と、長年の現場知見を掛け合わせ、
お母さんの心がフッと軽くなり、お子さんの才能が輝き出すサポートをしています。
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• 保育士歴25年以上/幼稚園教諭5年(現役)
• 2,000人以上の親子と伴走/才能クリエイト協会認定 上級コーチ
• メディア: サンテレビ「ネクストニッポン」出演(2025年11月放映)
• 著書: 『愛情に秘められた親のホンネ』
• 拠点: 大阪府岸和田市(オンラインで全国対応)
• 独自技術: まなざし診断「マナシン」(商標登録出願中)× AIプロンプトエンジニア資格








