「間違えないAI」から、「気持ちに気づく鏡」へ — 3分ミラー開発秘話 —
2026/09/22
一日が終わる頃、
「なんか疲れたな」
「なんかモヤモヤするな」と思っても、
何に疲れたのか。
何が引っかかっているのか。
自分でも、うまく言葉にできない。
そんな夜は、ありませんか?
「3分ミラー」は、そんなときに、自分の気持ちを少しだけ立ち止まって見つめるための場所です。
誰かに相談するほどではない。
でも、自分ひとりで抱えるには少し重たい。
そんな言葉にならない気持ちを、そっと置いていける3分をつくりたい。
そこから、このアプリは始まりました。
はじまりは、「間違えないAI」をつくることでした
このアプリを作り始めた頃、私が一番気にしていたのは、
AIが勝手なことを言わないことでした。
本人が書いていない気持ちを決めつけない。
「本当はこう思っている」と断定しない。
原因を勝手につくらない。
心理を診断しない。
開発を進めるたびに、
「これは言ったらダメ」
「ここまで推測してはダメ」
「この表現も危ない」
というルールが増えていきました。
最初は、「間違えないAI」をつくろうとしていたのだと思います。
でも、安全にしようとすればするほど、別の問題が起きました。
返ってくる言葉が、
「そう感じたんですね」
「その言葉が残っているんですね」
という、書いたことを確認するだけのものになっていったのです。
間違ってはいない。
安全でもある。
でも、私は何度も思いました。
「これでは、鏡を見た意味がない」
正解でも、慰めでも、オウム返しでもない
本人がすでに分かっていることを、きれいに言い直してもらうだけでは、
「ああ、そうだったのか」
という気づきには、なかなかつながりません。
3分ミラーで届けたかったのは、
正解でも、
慰めでも、
オウム返しでもありません。
ミラーからのメッセージを読んだとき、
「ああ、私、そんなふうに感じていたんだ」
と、自分でも気づいていなかった想いに、そっと出会えるような言葉です。
「言ってはいけない」から、「決めつけてはいけない」へ
そこで、安全についての考え方そのものを変えました。
「本人が書いていないことは言ってはいけない」のではなく、
「本人が書いていないことを、本人の真実として決めつけてはいけない」のではないか。
人の心には、まだ本人自身も言葉にできていないものがあります。
大切にしていること。
引っかかっていること。
うまく言葉にならない願い。
だから3分ミラーでは、書かれた言葉どうしをつないだときに自然に見えてくるものなら、
「もしかすると……」
「こんな気持ちもあるのでしょうか」
「〜なのかもしれません」
と、ひとつの仮説として差し出すことがあります。
でも、その仮説を正解にするのはAIではありません。
ミラーの言葉が「正解」とは限りません
たとえば、
「今日は仕事で余裕がなかった」
「子どもに強く言ってしまった」
「あとになっても、そのことが引っかかっている」
そんな言葉を書いたとします。
3分ミラーから、
「本当は、もう少し違う関わり方をしたかった気持ちが残っているのでしょうか。」
と返ってきたとします。
読んだ瞬間、
「ああ、そうかもしれない」と思うこともあります。
でも反対に、
「うーん、そこじゃない気がする」と思うこともあります。
たとえば、
「子どもへの関わり方というより、
仕事でいっぱいいっぱいだった自分が苦しかったのかもしれない」
と気づくこともある。
つまり、ミラーの言葉そのものが正解なのではありません。
返ってきた言葉に対して、
「そうかもしれない」 「いや、そこではない」
と自分の心が動くことで、
「じゃあ、私は本当は何が引っかかっているんだろう?」
と、もう一度自分の内側を見るきっかけが生まれます。
だから3分ミラーでは、メッセージのあとに、自分がどう感じたかを確かめられる選択肢を用意しています。
「分かってもらえた感じがした」
「少し近い気がした」
「まだスッキリしない」
「ちょっと違う気がした」
どれを選んでも大丈夫です。
3分ミラーは、AIの言葉を正解として受け取る場所ではありません。
返ってきた言葉を鏡にしながら、
「私は、本当はどうなんだろう?」
と、自分に戻ってくるための場所です。
深く分析することより、今のあなたに合う距離で
返す言葉も、いつも深ければいいとは考えていません。
アプリに書いたいくつかの言葉をつないだときに、
少し先の見え方が自然に浮かぶなら、そっと差し出す。
でも、そこまで言える材料がなければ、無理に深く入りません。
近くまで行けるときだけ、少し先まで一緒に見てみる。
3分ミラーが大切にしているのは、
深く分析することではなく、今のあなたに必要な距離で返すことです。
ルールを作っていたはずが、自分の「あり方」が見えてきた
何度も修正を続けているうちに、私は、もうひとつ大きなことに気づきました。
私は「安全なAIをつくるためのルール」をつくっているつもりでした。
でも、そのルールを何度も見直していく中で見えてきたのは、
「この人の言葉を雑に扱いたくない」
「ただ繰り返すだけにもしたくない」
「本人より先に答えを決めたくない」
「まだ見えていないものがありそうなら、そっと差し出したい」
「違うと思ったら、違うと言える余白を残したい」
という、私自身が人と向き合うときに大切にしてきたものでした。
それは、単なる安全ルールではありませんでした。
人をどう見るのか。
気づきをどう扱うのか。
答えを誰のものにするのか。
「何を返すか」を考えていたはずが、 いつの間にか「私は人とどう向き合いたいのか」を考えていたのです。
それが、私自身の「あり方」でした。
私の話し方ではなく、「まなざし」を持つアプリへ
だから今、3分ミラーの中につくろうとしているのは、私の話し方をコピーしたAIではありません。
私が人と向き合うときに大切にしてきた「まなざし」を、判断の土台として持つアプリ。
そこへ近づいているのだと思います。
開発は、もう「こうしたらダメ」を増やすだけの段階ではありません。
今は、そのまなざしを土台に、
「この人の今の言葉に、どんな一言を返したらいいだろう」
を磨いています。
安全かどうかだけではなく、
「この言葉は届くだろうか」
「ほんの一歩先になっているだろうか」
「深読みしすぎていないだろうか」
「まだ知らない自分に出会うきっかけになっているだろうか」
を、一つひとつ確かめています。
はじまりは、娘への贈り物でした
最初は、娘に、
「一日の終わりに、自分の気持ちを置いていける3分をつくりたい」
と思って始めたアプリでした。
でも、何度も何度も修正を重ねた先で、3分ミラーは少しずつ、
「答えを教えるAI」ではなく、 まだ自分でも気づいていない自分に出会うための鏡
になろうとしています。
その鏡の奥には、私が30年以上、人や子どもと向き合う中で育ててきた「まなざし」が、少しずつ形になっています。
もし今、
「なんとなくモヤモヤするけれど、自分でもよく分からない」
そんな気持ちがあるなら、
3分だけ、自分の言葉を鏡に映してみてください。
正解をもらうためではなく、
「ああ、私、こんなふうに感じていたのかもしれない」
と、まだ言葉になっていなかった自分に出会うために。
この開発秘話の核
この開発秘話の核を一文にするなら、私はこれだと思います。
「こう言ってはいけない」を積み重ねて作り始めたAIが、いつの間にか、「私は人とどう向き合いたいのか」を映し出すアプリになっていました。
• 保育士歴25年以上/幼稚園教諭5年(現役)
• 2,000人以上の親子と伴走/才能クリエイト協会認定 上級コーチ
• メディア: サンテレビ「ネクストニッポン」出演(2025年11月放映)
• 著書: 『愛情に秘められた親のホンネ』
• 拠点: 大阪府岸和田市(オンラインで全国対応)
• 独自技術: まなざし診断「マナシン」(商標登録出願中)× AIプロンプトエンジニア資格
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