子どもの見方を変える(2)|オンライン子育て相談
2024/05/29
本日は、大人が子どもの欠けていない部分を見えるようになると、子どもの姿がどのように変化するのかを実例を挙げて見ていきましょう。
0歳児クラスのB君は4月生まれで、入園してきた当初から小走りができるほど活発な子どもでした。クラスのお友だちには、まだ歩いていない子やひとり座りがようやくできるようになった子もいます。そのため、お部屋で走ると他のお友だちが危険です。そこで、B君に座って遊ぶように指示をする必要があり、B君の身体を思いっきり使って遊びたい気持ちは満たされず、フラストレーションがたまる一方でした。
しかし、B君の活発な姿はデメリットだけではありません。機敏な動きや身のこなしが軽いことで怪我をせずに済む場面がたくさんあります。そもそも、身体能力が高いことは悪いことではありません。それはB君にとって最大の才能です。そして、その能力を思いっきり発揮できる環境であれば、彼の身体能力はさらに高まるでしょう。そう思うと、彼の才能の芽を摘んでしまうのは本当にもったいないことだと思うのです。
先日、赤ちゃんの泣くことの価値に触れましたが、子どもが泣くと、時に保護の気持ちが強い親は、子どもを泣き止ませてあげたいという気持ちが掻き立てられます。だからこそ、泣き止ませることに意識が向いてしまうのは当然のことです。
しかし、赤ちゃんが自分の欲求が満たされるまでひたすら泣き続けるのは、粘り強さの表れです。この粘り強さは、大人になって自分の夢を実現するには必要なことです。
つまり、ここで注目すべきことは、表面的には大人の介助がなければ何もできないように見えますが、 子どもが自立するために必要な心の強さはすでに持っているということです。また、自分でできないことを他人の協力を得て実現させる能力も持っているということです。
子どもが泣くとき、大人が抱っこをして泣き止ませると、すぐ泣く子になるとか、甘やかしてしまうことになるので、あえて抱っこをしないと考えている方もいるかもしれません。抱っこは、心理学のアタッチメント理論(参考資料1)に基づくと、子どもの心の安定にとって必要不可欠なものです。保育園でも、抱っこを求める子どもや抱っこをそれほど求めない子どもがいます。
抱っこを求める子どもだけ抱っこをしていたら、泣かない子どもが可哀想だという考え方もあります。しかし、少量でお腹がいっぱいになる子もいれば、食べることが大好きでたくさん食べる子どももいるように、満足度や欲求度は個人によって差があります。また、保育園で頑張っている子どもは、家に帰るとお母さんにべったりすることもあります。子どもにとって抱っこをしてもらうことで安心感を得ることができます。この安心感が、子どもが自立へと自然に向かう力になります。保育園の子どもの成長を見ていると、それを確信できます。自分の感情を受け止めて優しく対応してあげた子どもは、自分がしてもらったように友だちにも優しく接するようになります。
ここで考えてほしいのは、あなたが自身の感情を押し殺したり、他人に甘えることができなかったり、自分の欠点を許せなかったりしていないかということです。
冒頭で脳の性質についてお話ししましたが、意識しないと、人は欠けている部分ばかりを見てしまいます。これは自分にも当てはまります。自分のできているところを認められるようになれば、自然と子どものできているところ、良いところが目につくようになります。
それは欠点がよく見えるメガネから、良いところが見えるメガネに取り替えるのと似ています。良いところが見えるメガネをかけると、自然と否定的な声かけが肯定的な言葉に変わり、結果的に子どもの自立を支えるサポートができるようになります。同時に、自分自身の強みや成長部分も自然に見えるようになります。
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子どものミカタ
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幼稚園教諭5年・保育士20年目
才能クリエイト協会上級コーチ
株式会社マインズ 社員コーチング
コーチング実績は2,000人を超え、現在は、実践練習ができるワークショップも主催
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