「お兄ちゃんなんだから」に込められた、わたしたちの“無意識”──子どもをどう“見ているか”が育ちを変える

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「お兄ちゃんなんだから」に込められた、わたしたちの“無意識”

「お兄ちゃんなんだから」に込められた、わたしたちの“無意識”

2025/05/12

はじめに

 

保育の現場で、下の子が泣いていると、ついこんな言葉をかけてしまうことがあります。


「お兄ちゃんなんだから」「がまんしてあげて」――


もちろん、悪気はないし、状況を落ち着かせたいという願いもあるでしょう。

 

けれど、その言葉の奥にある“わたしたちの無意識のまなざし”が、

子どもの心にどんな影響を与えているか、立ち止まって見直しますか?

「正しさ」の名のもとに、子どもに“早く大人になること”を求めていないか。
子ども一人ひとりを、そのままの存在として見つめているか。


日々の関わりの中に潜む、「見えない偏り」を一緒に振り返ってみませんか?

声かけの背景にあるもの

下の子が泣いているとき、つい、歳上の子に言ってしまう

「もう、小さい子じゃないでしょ」
「がまんしてあげて」
「あなたはお兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」

保育の現場でも、こうした声かけは日常的に見られます。
でも、それは本当に子どものための言葉だったでしょうか?


もしかしたら、

私たち大人の「もめごとを避けたい」「早く泣き止ませたい」という思いが、

正しさにすり替えられていることがあるのかもしれません。


気づきの瞬間──“見えない我慢”を背負わせていないか

 

私自身も、かつては同じような声かけをしていました。

でも、あるとき気づいたんです。

下の子を抱きしめているとき、上の子はどんな目で見ていたのか?
声をかけるとき、私の心はどちらの子に向けられていたのか?


そんなふうに振り返ったとき、

「上の子」ではなく、ただの“ひとりの子ども”として見てあげたいと思ったのです。

「がまんしてえらいね」ではなく、「本当はどうしたかったの?」と聴けるまなざしを持ちたい。


その変化が、子どもの表情をやわらかくしていくのを、私は見てきました。


無意識を活かした教育・子育てのヒント

 

子どもと関わるとき、私たちは「言葉で伝えている」と思いがちですが、

実は最も強く届いているのは、大人の“あり方”そのものです。


とくに、無意識ににじみ出る姿勢や反応は、

子どもにとって“見えない教科書”のような存在になります。



◎ 良い影響を与える無意識とは?

・非言語的な安心感を与えるまなざし
 大人が心から「この子は大丈夫」と信じているとき、その安心感は言葉以上に伝わります。
 子どもはそのまなざしを通して、「自分はここにいていい」「試してみても大丈夫」と感じ取ります。
 これは、自己効力感(自分にはできる)を育てる土台となります。

・“安全基地”としての大人の存在
 大人自身が安定していると、子どもはその存在を頼りにして探求や挑戦を始めます。
 裏を返せば、大人が不安定であれば、子どもも“探索”より“防衛”にエネルギーを使ってしまうのです。



◎ 見直したい、無意識からくる関わり

・無意識の不安や焦りを抱えたままの声かけ
 たとえば「ちゃんとしなさい」という言葉。
 本来伝えたかったのは「大丈夫だから落ち着いてやろうね」だったはずなのに、
 無意識の中にある「早く終わらせたい」「失敗させたくない」という焦りが込められていると、
 子どもには“あなたはまだ不十分”という否定的メッセージとして伝わる可能性があります。


エビデンスと理論的裏付け

 

こうした“見えないまなざし”が、なぜ子どもに影響するのか。
心理学や脳科学の視点からも、次のような裏付けがあります。

・愛着理論(ボウルビィ)
 子どもは、安心できる大人との関係を通して「世界は安全」「自分は価値ある存在」と認識していきます。
 その基盤が築かれるのは、大人の「無言の反応」や「共にいる態度」なのです。

・ポリヴェーガル理論(神経生理学)
 大人の神経状態(リラックスしているか、緊張しているか)は、子どもの神経系に“共鳴”します。
 つまり、大人が落ち着いていると、子どもも安心しやすくなり、逆に大人の不安は子どもを過敏にさせることもあるのです。

・アドラー心理学
 子どもの行動はすべて“目的をもって”行われているとされます。
 その目的の背景には、大人から受け取った無意識的メッセージや期待が大きく影響しています。

まとめ──“まなざし”から始まる変化

 

無意識は、言葉では説明されないけれど、確かに子どもに伝わっているもの。
まるで空気のように、毎日の保育・教育環境を形づくっている存在です。

どんな言葉をかけたか以上に、どんな気持ちで、どんな姿勢でそこにいたかが、子どもの心に残る“記憶”になります。

だからこそ、
子どもを変えようとする前に、自分のまなざしに気づくこと――
それが、育ちを支えるほんとうの第一歩なのかもしれません。

あなたの“まなざしタイプ”を見てみませんか?

• 保育士歴25年以上/幼稚園教諭5年(現役)

• 2,000人以上の親子と伴走/才能クリエイト協会認定 上級コーチ

• メディア: サンテレビ「ネクストニッポン」出演(2025年11月放映)

• 著書: 『愛情に秘められた親のホンネ』

• 拠点: 大阪府岸和田市(オンラインで全国対応)

• 独自技術: まなざし診断「マナシン」(商標登録出願中)× AIプロンプトエンジニア資格


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